REC.002 chapter.2「行き当たりばったりでやってもアーティストの成長戦略に繋がらない」
season 6
REC.002 chapter.2
行き当たりばったりでやってもアーティストの成長戦略に繋がらない
― 今、全国にアイドルが3000組も存在しているそうですが、地元アイドルなど凄いですね。誰でもアイドルになれる時代なのでしょうか?
橋元:いまはある意味なれると思いますね、80年代は大手の芸能事務所から松田聖子さん、中森明菜さんらのビッグアイドルが誕生し、時代を経てモーニング娘。が現れ、のちにAKB48やももいろクローバーZ、乃木坂46、欅坂46が登場しました。一方、現在はそのブームもあり、全国にご当地アイドルも多く存在します。グループの数だけコンセプトがあると思いますが、ゆるキャラと同じように地域活性化の役割を持ったブループも多い。例えば、市役所が運営するアイドルもいますし、その街で音楽活動している人がプロデューサーと名乗りアイドルを集めてやることもできてしまっているので、今や全国津々浦々、総アイドル状態となっています。
― 地元が活性化すればいいというだけのアルバイト感覚の人も多いのでしょうね。
橋元:上を目指そうという人たちとは若干違うと思います。しかし、そういったグループが多くあるのも事実です。 どんなアーティストやメジャーアイドルもそうですが、しっかりとした目標設定がないと疲弊してしまうと思っています。いま彼女たちの一つのゴールというか目標は、僕らが夏に行っている『@JAM EXPO』やフジテレビさんの『TOKYO IDOL FESTIVAL』となっているようなので、期待に応えられるようしっかりと努力したいと思っています。
― やはり、アイドル業界も今後のマーケットはアジアですか?
橋元:アジアでの展開もそうですし、もちろん2020年に向けたインバウンド、アウトバウンドということもどんどんやっていかないと、島国ニッポンの中だけでというのはビジネスとして成立しないのかなと思いますね。
― もっと会場が増えるといいですよね。
橋元:会場が取れないというのは非常に悩ましい問題です。例えばZeppだと12ヶ月前に予約がほぼ埋まり、稼働率は95%以上。年間で空いている日は数日です。ですから逆にやる側は、ちゃんと希望の日程でいいライブをやっていくことをプランニングしていかないと、行き当たりばったりで空いている日にやってもアーティストの成長戦略に繋がらない。会場をキープするのはマネジメントやコンサートチームの仕事ですけど、そこがちゃんと共有しながら進行しないと、いつまでたっても会場すら押さえられなかったり、プランしたはずのものができないということもあります。アーティストに対して僕らは数年後の成長を想定し、細やかにプランニングしていかなければなりません。
― 本日はありがとうございました。学生にとってはバックヤードで何が起こっているのか、また、コンサートのスケジューリングなどいろいろ勉強になったと思います。
chapter.1 「仕事はテクニックより熱」
REC.002 橋元恵一さん
(株)Zeppライブ フェスティバル事業部 部長
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