サステイナブル工学について
サステイナブル社会とは
20世紀から21世紀にかけて、科学技術の爆発的な発展によって、地球は70億人を超える人々が豊かに暮らす惑星となりました。私達にはこの豊かさを子々孫々にまで引き継いでゆく、持続してゆく義務があります。
同時に私達は、貴重な資源やエネルギーの枯渇、環境の汚染や地球温暖化など地球の限界に由来する問題に直面しています。この問題の克服なくして私達の豊かな社会を持続可能にする=サステイナブルにすることはできません。
従来は「産業・経済」「人間・生活」の協調と対立の場として理解されていた社会に、新たに地球の限界、つまり「自然・環境」という要素が加わりました。「サステイナブル社会」はそれらが調和を保ちながら健全な発展を続けていく社会であり、現在、世界中でその具現化をめざす取り組みが始まっています。
サステイナブル工学とは
サステイナブル社会の実現には、自然科学、社会科学、人文科学のあらゆる領域にそれぞれの役割があります。中でも究極の実学である「工学」は、持続的発展な社会を構築するための「サステイナブル工学」へとアップグレードされるべきです。
「サステイナブル工学」では、従来の工学が積み上げてきた多彩な知識と技術を基本としながら、持続的発展が可能な社会づくりに役立つか、という新たな視点をもって、より幅広い視点で「ものづくり」全体をとらえた上で、さまざまな技術の実現をめざします。
「サステイナブル工学」の第一歩は、資源調達から材料の製造、製品の生産、その使用と廃棄、そしてリサイクルという製品のライフサイクル全体を、環境、経済、生活のすべての観点から評価することです。このライフサイクルアセスメントに基づいた設計・開発が、サステイナブル工学の取り組みの柱なのです。
東京工科大学が取り組むサステイナブル工学
サステイナブル工学という新しい学問を学ぶために、東京工科大学は、機械工学科、電気電子工学科、応用化学科の3学科からなる工学部を設置しています。学生は各学科の専門領域の知識や技術を学ぶとともに、共通のサステイナブル工学の考え方と実践方法を修得。資源リサイクルや環境保全、省エネルギーにつながる技術、安全や安心の向上や医療・健康に役立つ技術、経済性とその評価に関連する技術などを追究していきます。
さらに、こうした取り組みを進めていくうえで、3学科合同で問題解決を試みる「行動型」の教育を展開していくことも工学部の大きな特徴です。教室での学習と就業体験を連携させる「コーオプ教育」をはじめとする先進的なカリキュラムで学ぶことにより、21世紀社会の創造を根底から支えるサステイナブル工学のエッセンスを、実践的、体験的に身につけていきます。