REC.010 chapter.1「雲母社が求める人材について」
season 2
REC.010 chapter.1
雲母社が求める人材について
―「今、業界が求めている人材」ということで、特別講師の皆さんにお話を伺っています。松任谷さんの会社、雲母社ではどんな人材を求めていますか?
松任谷 正隆氏(以下松任谷と敬称略):まず志が高いこと。この会社で一生働いてもらう必要はなくて、その途中段階でも全然構わないと思います。大事なことは、自分のやりたいことがはっきりとあることじゃないかな。会社って、枠が硬い物ではなくて凄く柔軟だと思うし、特にうちの会社の場合は、人が変わればそこで器も変わるくらいの軟体動物みたいなところがあるから、『人間力』というか『ライフ・フィールド』というか、それが強ければ強い程、その人の色になるんじゃないかな。
―雲母社は、どんな特色を持った組織ですか?
松任谷:人はどう見るかわからないけど、僕が考えているのは、無理は絶対にしない会社、逆にいうと何をやってもいい会社だとも思っています。例えばその中で、どうしてもこのアーティストをやりたいとか、アーティストを連れてきて「どうですか」と、一緒に入って来るのも有りだと思うし、本を作る部門がやりたいというのもOKですよね。結局、僕らが創るのはソフトだから、ソフトが面白ければ、そしてみんなで共感できれば、何だって有りだと思う。
―雲母社はもうじき創立40年目を迎えようとしています。
松任谷:長年のイメージから、人は(松任谷)由実さんに関する仕事をする会社だと思っていて、もちろんそれは大きな柱ですが、それだけではないんです。そういう会社、多いんじゃないのかな。
―東京工科大学の学生からの質問ですが、雲母社に入社するためにはどんな勉強をしたらいいですか?
松任谷:勉強をする必要はないよね。必要なのは器の広さかな。視野は自然に広がるから。才能でもなくて、器の広さとしか言えないけれど、置き換えて言えば、人間力かな。どの会社も、面接で見ているのは人間力だと思う。何ができる、とかは全然関係ない。その人にキャパシティがあれば、スペシャリストになれる。人間力がなければ興味を持てないじゃない。興味を持てない人はそこまで。
―人間力はどうすれば鍛えられますか?
松任谷:鍛える要素は、好きなものを見つけるということだと思う。趣味で何かをやるとか、それが直接、会社で役に立たないことでも、人間力を深めるものにはなるかもね。たとえ家出してでも、こういうことがやりたい、というくらいのライフ・フィールドの広さ、強さのようなものを持っていれば、その方向をちょっと変えるだけで、凄いことができるかもしれない。
―雲母社では毎年人材を募集しているんですか?
松任谷:もし東京工科大学の学生が入社したいと言うならウエルカムだけど、うちに入社しようとするんだったら、こんなことがやりたいというビジョンがないとね。何もやりたいことがなくて来られても、それは困るよ(笑)。
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chapter.2 悩みの部分はいつの時代も一緒
REC.010 松任谷 正隆さん
音楽プロデューサー/東京工科大学メディア学部客員教授
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- chapter.2 悩みの部分はいつの時代も一緒
- chapter.3 アイデアの作り方