REC.011 chapter.2「下北沢LOFTでのバイト」
season 1
REC.011 chapter.2
下北沢LOFTでのバイト
―音楽を好きになったきっかけを教えてください。
原田:高校生の頃は、ブリジット・フォンテーヌなどの前衛的な音楽が好きでしたね。それからセシル・テイラー。と同時にその頃のビートルズ、ストーンズ、キンクスなどはずっとシングル盤で聴いていました。アンドレ・ピエール・マンディアグルなどのフランス幻想文学を読んだり。兄姉はいないから、友達たちからの影響が大きかった。高校までは北九州の小倉にいて、ジャズとヌーベル・ヴァーグとロックと、そんな感じでした。
―大学生の頃、下北沢のライブハウス、LOFTでアルバイトをしていたんですね?
原田:小倉から出て来て法政大学に入学し、クラブは広告研究会に所属しました。そこで友達になった音楽好きの連中と「ティン・パン・アレー系が出ているところへ行こう!」となって、荻窪のLOFTへ行きました。他にも鈴木茂さんのハックルバックや南佳孝さん、吉田美奈子さんたちのライブを観て感激でしたね。当時、僕は経堂に住んでいて、経堂に近い下北沢にLOFTができることになって、当然すぐ行き出した。それこそ1日ずっといるみたいな感じです。あの頃のレコードって2700円とかするから買えないし、でもLOFTでは好きなレコードも聴けるし、そうしたらそのうち「バイトやらない?」みたいに誘われて「もちろんやりましょう」って始めたわけです。
―学生たちは、原田さんのLOFTでのバイトの話は特に興味深かったと思います。
原田:もしかしたらバイトって大事なのかもしれませんね。学校に行っていると学校だけしか分からないけど、LOFTにはいろんな大学生が集まっていて、共通の音楽というものがあったのでいろんな話ができたことが大きいですね。そこで出会う人脈が、僕の場合は凄く重要だった。バイトはあくまでもバイトとして、切り替えて就職する方がほとんどだと思うんですけど、僕は違いました。
―LOFTのアルバイトから音楽業界に入ることになるのですね。
chapter.2 下北沢LOFTでのバイト
chapter.3 あの頃があるから、今がある
REC.011 原田公一さん
株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ 代表取締役会長
- REC.011 chapter 1-4 -
- chapter.1 アーティスト・マネージメントという仕事
- chapter.2 下北沢LOFTでのバイト
- chapter.3 あの頃があるから、今がある
- chapter.4 時代の転換期をチャンスと捉える