コーオプ教育体験レポート(日本サーモニクス株式会社様)
2018年6月11日~8月3日の約2か月間、神奈川県相模原市の日本サーモニクス株式会社にて、工学部電気電子工学科の学生が、同社の現場業務を経験するコーオプ実習を行いました。
コーオプ実習 実施企業インタビュー
日本サーモニクス株式会社 コーオプ実習ご担当者様
学生はどんな仕事を経験したのですか?
当社は、「高周波誘導加熱装置」という機械金属製造業向け製品の専業メーカーですが、コーオプ実習では、製品の設計、組み立て、配線、調整、検査など一連の製造プロセスにおける補助業務をひととおり経験してもらいました。
学生の指導にあたって、どんなことに留意しましたか?
学生だからといって特別扱いせず、作業の内容や進め方については、新入社員と同じように教えるようにしました。また、電気を扱う仕事なので、特に感電事故のないように安全指導を徹底しました。
コーオプ実習を受け入れての感想は?
現場では電気電子の知識が必要とされる仕事が多いのですが、電気電子工学科の学生だからでしょうか、オシロスコープなど電気機器の取り扱いに慣れていて感心しました。今回来たのは、外国からの留学生でしたので意思の疎通に不安もあったのですが、日本語がうまくてまったくの杞憂でした。
会社側にプラスになったことはありますか?
コーオプ実習生の「何かを吸収してやろう」という強い意欲に刺激を受けて、教える側の熱意も自然に高まりました。また、学生から鋭い質問をされることもあり、私たち社員が普段何気なく行っている作業を振り返るきっかけにもなりました。
コーオプ実習だからこそ体験できることは?
ものづくりが大好きな社員が集まり、プライドを持って仕事に取り組んでいる現場の空気感を肌で知れることですね。また、高周波誘導加熱という技術により、金属を800~1200℃もの高温に加熱する光景は他では見られません。きっと驚くことでしょう!
コーオプ実習に参加する学生に期待することは?
専門的な知識よりも、ものづくりに対する情熱や興味を持っている学生に来てもらいたいですね。当社の仕事は、一人で黙々と取り組む作業ばかりではないので、やはりコミュニケーション力も身につけていてほしいと思います。
樋原 琢也さん
技術部 回路設計課
コーオプ実習 体験学生インタビュー
アイン ハフィザ フィテュリナ
電気電子工学科3年
(取材時)
どんな仕事を体験しましたか?
高周波誘導加熱装置の部品の組み立てや、ワークと呼ばれる金属製品の研磨と検査、そのほか高周波発振機の調整など、工場とラボの両方で幅広い仕事を行いました。
アイン ハフィザ フィテュリナ
電気電子工学科3年
(取材時)
コーオプ実習を体験した感想は?
私はマレーシアの大学から東京工科大学に編入した留学生で、日本の企業で実習を行うのは初めての経験です。そこで強く感じたのは、日本の製造業における精度や品質チェックの厳しさ。以前、働いたことのあるマレーシアの企業では問題にされなかった小さな誤差も見逃さない、日本流のものづくりに感心しました。
どんな収穫や発見がありましたか?
日本の企業では、出社時や退社時をはじめ、頻繁に社員同士で挨拶を交わすことが新鮮な発見でした。マレーシアではこんなに挨拶はしません。コーオプ実習を終え、帰り際に社員の方から「今日はよくがんばったね!」と声を掛けていただけたときは、うれしかったですね。
反省点や苦労したことは?
この会社の仕事ではさまざまな機械を使うのですが、使い方がわからないものがたくさんあり、最初は戸惑いました。また、研磨機を使ってワークを磨く作業は、慣れないうちは力の入れ具合がわからず苦労しました。
この経験は、将来どのように役立つと思いますか。
私は将来、日本企業に数年勤めてから、マレーシアで半導体関連の仕事に就き、母国の産業の発展に貢献したいと考えています。今回のコーオプ実習は、日本の企業に慣れるとともに、日本語能力を磨いて、将来の就職に備える絶好のトレーニングになると思います。
コーオプ実習に挑戦する人たちへのメッセージを聞かせてください。
私がお世話になった日本サーモニクス株式会社は大企業ではありませんが、世界各国と取引をしているグローバルな風土のある会社で、とても働きやすい環境でした。私のような留学生にとって、コーオプ教育は日本企業のことを深く理解するチャンスですので、ぜひ活用してほしいですね。
コーオプ実習 実施企業
日本サーモニクス株式会社
日本サーモニクス株式会社は、東京工科大学の地元である東京都八王子市に隣接する神奈川県相模原市に拠点を置く機械メーカーです。自動車のエンジン部品をはじめ幅広い金属部品・製品の製造に欠かせない「高周波誘導加熱装置」の開発・製造を一貫して手がけており、取引先は日本の大手自動車会社をはじめ世界各国に広がっています