以下の研究課題を国際誌(JOSPT open)へ投稿した
Neuromechanical Justification of Physical Performance Tests for a Return to Running: A Muscle Coordination Analysis. Hiroki Saito*, PT, PhD, Ayu Yamano, PT, Nanae Suzuki, PT, Kazuya Matsushita, PT, Msc, Hikaru Yokoyama, PhD, Atsushi Sasaki, AT, PhD, Tatsuya Takahashi, MD, Sakiko Ito, PT, PhD, Takashi Nakayama, PT, PhD, Kimitaka Nakazawa, PhD
内容
ランニング復帰のための妥当な検査を健常人にて検討した。研究目的は走行と、走行復帰(RTR)によく用いられる様々な身体能力テスト(PPT)関連のタスク間での共通の筋シナジーを調査し、PPTが走行の神経力学をどれだけ再現できるかを検証することである。方法は健康な男性10名が参加し、走行と9種類のPPT関連タスク(歩行、片脚ホップ(最大距離の30%、60%、100%)、片脚スクワット、様々なバランスタスク)を実施した。下肢および体幹の16個の筋肉の活動を記録し、機械学習の1つである非負値行列因子分解を用いて走行とPPT関連タスク間の共通の筋シナジーを分析した。走行と各PPT関連タスクの間で、共有されるシナジーの割合と時間的パターンを比較した。 結果として、全てのPPT関連タスクは走行と共通の筋シナジーを示したが、特に歩行(75% [40%-100%])、最大距離の30%での片脚ホップ(60% [20%-100%])、およびステップアップダウン(63% [0%-100%])は他のタスクと比べて有意に高い割合の共有シナジーを示した(図参照)。すなわち歩行、30%の片脚ホップ、ステップアップダウンの課題は走行行動の再現性が高いと考えられ今後の研究の動作課題として適切であることが示唆された。