ヘルスケアをデジタル技術で革新

センター長
田仲 浩平 教授

デジタルヘルス・イノベーションセンターは、2040年に国内最大の産業となるヘルスケア(医療、看護、介護)分野において、急速な労働人口の減少による人材不足、DX化の進展を背景に、効率的で安全な働き方や学びを追求しています。2040年には、ヘルスケア分野の就業者は総就業者数の18.8%、すなわち1,065万人に達すると予測されており、これにより日本の総就業者数の中で最大の割合を占めることになります。
このような状況下で、ヘルスケア分野は、人材不足、教育不足、医療ミスの増加といった深刻な課題に直面しています。さらに災害時の避難問題や、医療サイバーセキュリティ対策も重要な課題として浮上しています。
デジタルヘルス・イノベーションセンターは、これら直近の課題に対処するために、最先端のデジタル技術を駆使して新しいソリューションを提供します。AI、XR(AR、VR等)を活用した革新的なアプローチにより、ヘルスケアの現場での効率化と安全性の向上を図ります。具体的には、医療の作業プロセス・効率をAIで分析しXRトレーニングで改善を図る。また、教育効果の向上を目指したAI対話シナリオトレーニング、その他、サイバーアタック監視・検知システム、仮想・ゲームトレーニング・コンテンツに開発など、多岐にわたる取り組みを展開します。
センターのもう一つの重要な役割は、次世代のデジタルヘルスケア分野のリーダーを育成することです。高度な技術知識と実践的なスキルを兼ね備えた人材を育成することで、将来のヘルスケアの発展を支えます。
デジタルヘルス・イノベーションセンターは、ヘルスケア分野におけるデジタル技術の応用を通じて、社会全体に大きな貢献を果たすことを使命としています。これからのヘルスケアの未来を見据え、デジタル技術を駆使して、人々の生活の質の向上を目指してまいります。
お知らせ
お知らせ2025年9月9日
10月1日~3日開催 「医療DX・IT EXPO」に本学デジタルヘルスイノベーションセンターが開発した技術を展示
このたび、本学が開発した医療技術を、10月1日(水)から3日(木)にかけて幕張メッセで開催される「医療DX・IT EXPO」に出展します。
今回の展示では、医療現場の働き方と学び方を革新する2つの技術をご紹介します。
ぜひこの機会にご来場いただき、本学の最先端技術を体験してください。
■展示内容
1. スマホ搭載型作業・教育支援アプリ「MEDIX-R」
「MEDIX-R」は、医療従事者や医療系学生の作業・教育を支援するために開発されたアプリケーションです。
概要:
医療手技や手順をスマートフォン画面と音声ガイドで表示。
特徴:
・ハンズフリー操作
ARグラスと連携することで、音声指示によるコンテンツ切り替えが可能となり、手術中など手が離せない状況でもハンズフリーで情報を確認できます。ARグラスには、動画や静止画が音声と同時に表示されます。
・コンテンツ自作機能
あらゆる産業のコンテンツを自作できるため、医療現場以外にも幅広い分野での活用が期待されます。
2. 人工心肺VRシミュレータ
難易度の高い人工心肺操作技術を、短期間で習得するためのVRトレーニングシステムです。
概要:
CGとVR技術を駆使し、臨床工学技士の学生や現役医療従事者の技能向上をサポートします。
特徴:
・実践的なトレーニング
血圧低下や心停止などのインシデントを任意で発生させることができ、実際の現場に近い状況でのトレーニングが可能です。
・多機能
実機に近い応答性の物理コントローラ、医師botとの連携、技量フィードバック評価機能など、効果的な学習をサポートする機能を多数搭載しています。
イベント名: 医療DX・IT EXPO
会期: 2025年10月1日(水)~3日(木)
会場: 幕張メッセ
主催: RX Japan株式会社
お知らせ2025年9月9日
立教女学院高等学校との連携プログラムを実施
東京工科大学 片柳研究所 デジタルヘルス・イノベーションセンターは、立教女学院高等学校の生徒を対象に、「医療・ヘルスケア×XRで未来を描け:君のアイデアが誰かの命を救う」をテーマとした高大連携プログラムを実施しました。
本プログラムは、東京工科大学蒲田キャンパスにて8月5日、6日の2日間にわたり開催され、高校1年生から3年生の希望者が参加。医療現場の課題や、VR・ARなどの先端技術による支援の可能性について講義を行ったほか、手術映像のVR体験や医療機器の操作体験も提供しました。
また、ARコンテンツの制作を通じて、大学生との協働学習を実施。参加者は複数の研究室も訪問し、医療現場の現状と課題への理解を深めました。
東京工科大学は、今後もこうした体験を通じて高校生の探究心を育み、医療分野への関心を高める活動を後押しして参ります。

