JSTさくら招へいプログラムでベトナム・ホーチミン市工業大学の学生・教員を本学に招へいしました
本学は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のさくら招へいプログラムに採択され、2024年1月14日(日)から1月20日(土)の期間に、大学間協定を締結しているベトナムのホーチミン市工業大学(IUH)の学生19名と教員1名を招へいしました。
本学とIUHは、2022年11月、2023年9月、2023年12月にベトナムで3回の共催イベントを実施し、親密に交流を行ってきました。今回は初めてIUHの学生と教員を日本へ招へいし、最先端科学技術に関する講義や実習、日本企業でのインターンシップ体験、日本文化体験などのプログラムを実施しました。本プログラムのテーマは、「SDGsを達成する科学技術を学習・体験する交流プログラム」でした。期間中には、本学の工学部の多くの学生と教員がIUHのメンバーと交流し、科学技術や文化に関する意見交換等を行いました。
講義としては、香川学長によるセラミックス複合材料(CMC)の研究紹介をはじめ、山下副学長によるリグニン材料に関する研究紹介、江頭教授によるサステイナブル工学の講義,高木教授による日本の鉄道技術に関する講義を行いました。また、学外から中田敏是准教授(千葉大学)を招き、” Aerodynamic mechanisms in mosquito flight and its application”の題目でご講義いただきました。各講義後には、CMCの研究施設の見学やリグニン材料に関する研究体験などを行いました。さらに、本学の学生や教員が研究やプロジェクトの紹介を個別に行う機会も設定しました。
学外では、講義を受けた日本の鉄道技術の実地研修を行うために、東海道新幹線と小田急ロマンスカーを見学し、使用されている科学技術の理解を深めました。さらに、神奈川県相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、ロケットや探査機、人工衛星などに関する説明を受けました。また、日本科学未来館を訪問し、さまざまな分野の先端技術に関する展示を見学しました。
3社の企業でのインターンシップ体験では、SDGsを達成するための日本の科学技術などを学ぶ実習を行いました。トベ商事では、最先端のリサイクル設備を目の当たりにして、日本におけるリサイクルの仕組みや技術を学びました。テックラボでは、炭素繊維複合材料(CFRP)の研究開発に関する説明を受け、実際にCFRP製造プロセスを体験しました。LUSH Japanでは、天然素材のみを使用したパックの製作を体験するとともに、環境破壊に関する講義・ディスカッションなどを行いました。
また、浅草寺の見学や煎茶道の体験、小田原城の見学などを行い、日本文化に触れる機会を設定しました。
今回招へいしたIUHの学生と教員は、2023年12月にホーチミンで共催した日越外交関係樹立50周年イベントにおいて、本学学生とチームを組んで地元の中高生に対する科学実験教室を実施したメンバーでした。約2週間ぶりの本学メンバーとの再会を喜びつつ、新たな本学学生との交流も積極的に行われました。真剣な表情で研究やプロジェクトに関する意見交換を行うこともあれば、ベトナムと日本の食や文化,言語などについて紹介しあったり、談笑したりする場面もあり、学生どうしで非常に有意義な時間を過ごすことができました。
現在、本学工学部ではIUHから1名の学部生が短期留学生・研究生として在籍しており、キャンパス内での講義の受講や企業でのコーオプ実習などに取り組んできました。2024年の3月には本学の複数の学部・大学院の学生7名が約1ヶ月間、IUHでの短期留学と現地ホーチミンの日系企業でのインターンシップに参加する予定です。これらの国際交流の機会をきっかけとして、日本でさらに学びたいと思う海外の学生、海外での学修・就業経験に挑戦する本学の学生が増えることにより、国際的に協調しながら科学技術の発展を担う次世代の人材が育つことを願っています。
本交流は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のさくら招へいプログラムとして実施されました。3社の企業様、JAXAの皆様は、ご多用のところ企業・研究紹介やインターンシップ体験を引き受けてくださいました。日本伝統文化保存継承の会・舞音の守ユネスコクラブの稲木様からは、浅草での見学や煎茶道教室などにおいて多大なご支援を賜りました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。