2021年デザイン学部長メッセージ
「デザインは新しい暮らしを創造する学問です」伊藤 丙雄
受験生の皆さん、デザイン学部長の伊藤丙雄です。
新型コロナウイルス感染症の終息が見えず暗澹たる日々が続きますが、一方で必ず来る新しい暮らしを想い描くことが、明日からのモチベーションになることも少しずつ分かってきました。
このような不安が先立つ時代にデザインを学ぶメリットはあるのでしょうか。
答えは「Yes」です。こんな話がヒントになるかも知れません。
私たちの学部で学ぶデザインとは、社会において「実学(実生活、豊かな暮らしに役立てるための学問)」によるデザインを実践する、これからも社会から広く求められる分野です。そして新しい日常では「安心・充実」という価値をデザイン発想に加えて、暮らしの質の向上を目指すことができるはずです。
そのデザインという学問。その昔、学びを修得するためには、アーティスティックな感覚や入学前に予備的な専門学習が必要、とされてきました。デザイン学部では、これまでの実績とデザイン教育の積み重ねにより、学部4年間の学びで興味関心のある誰もが「デザイン表現」に必要な「感性」と「スキル」、そして創造するために大事な「発想力」を享受されるようになりました。
「特長のある2つの専攻で皆さんをお迎えします」
2010年、大田区に誕生した理工系総合大学にあるデザイン学部。人の心に響きあう「感性」と、表現に必要な専門的な技術を身につける「スキル」を融合させた実践的な演習を中心に、従来にはない実学としてのデザイン教育を推進する先駆的な役割を担っています。
1年次では、教養科目と並行して感性演習とデジタルスキルの演習科目を学び、2年次からは3年次のコース選択の際に指標となる感性演習、専門演習にスキル演習を複数履修することができます。この大切な「感性」と「スキル」を交互に学びながら育む構成が、入学後からでもしっかり造形基礎を身につけることができるという、学部デザイン教育の大きな特長になっています。
2021年、新型コロナウイルス感染症予防のため、一部に遠隔による授業(オンデマンド授業)が引き続き導入される予定です。また演習系では教場を広く活用するべく、遠隔と対面の形態を効率良く切り替えた授業を実施します(ハイブリッド型授業)。またどの授業でも学部の得意とする講義用動画とグラフィカルな資料を駆使した授業を展開する予定です。
(授業対応は新型コロナウイルス感染症の拡大状況により変わります)
「専攻に設置されたコースは魅力にあふれています」
3年次からは各専攻内にある2つのコースに分かれます。
視覚デザイン専攻では、多くの人々を対象にメッセージを伝えるデザインを追求する「視覚伝達デザインコース」、拡張する情報を整理し可視化、使う人それぞれにデザイン+テクノロジーで届ける「視覚情報デザインコース」、工業デザイン専攻では、新しい空間について先端の技術を駆使しながら考察を深めていく「空間演出デザインコース」、近未来の暮らしをイメージした製品機器などのプランニングを考える「工業ものづくりデザインコース」があります。
「デザインの学びで社会に貢献できるのです」
専攻、コースでは課題、研究に加え様々なプロジェクトによるデザイン研究の成果を取り入れた、社会との接点のある教育を行なっています。学生の皆さんは入学後から始まる課題に個人制作とグループワークなどの経験をしながら、次第にデザイン表現に必要な発想力を深め、デザインの専門性を実装したのちには、「実学」によるデザインコミュニケーション手段で誰かの役に立てる、社会の期待に応えられる人材となっていることでしょう。
またデザイン学部では創設以来、デザイナーの育成だけにとどまらず、一般企業の総合職に企画職、営業職から今後注目される新しい職種まで幅広く活躍する人材を輩出してきました。
第1期の卒業生以来7年連続で就職率が92%以上、昨年度は95%以上(学部在学生の進路決定率90%以上)という、国内のデザイン系学部・学科において突出した率を誇り、昨年4月に設置された大学院デザイン研究科への進学も含め卒業生はあらゆる場面で活躍しています。
今はまだ大変な状況ではありますが、止まない雨はありません。
入学を希望される皆さんがこのデザイン学部の教育方針に賛同していただき、充実した4年間を過ごす「仲間」になっていただけることを心から願っております。