工学部　新入生の皆さんへ

～苦難を好機に～

新入生の皆さん、ようこそ、東京工科大学工学部へ！

皆さんが本学に入学されたこと心からお祝い申し上げるとともに、これから皆さんと共にサステイナブル工学を学び、皆さんと共に新しいサステイナブル工学技術を開発してゆくことを工学部教員一同心から楽しみにしています。

折しも今春新型コロナウイルスの世界的感染が広がり、残念ながら新学期開始は5月まで延期となりました。皆さんもこれからの大学生活に多くの不安を抱かれていることと思います。今般の社会情勢は皆さんにとって初めての大きな試練かもしれませんが、人間は長い人生の中で様々な苦難や試練に遭遇します。その苦難を単なる不運とするのではなく自分にとって好機と捉え、そこから得られるものを考えてみませんか？

これまでの皆さんの生活は慌ただしく休む間もなく新たな課題に追われ、おそらく「無駄な時間」はなかったのではないでしょうか？この機会に社会や自己をよく観察し、深く物事を考えてみてください。混乱の時や逆境においてこそものの本質や人の本性がよく見えてきます。

未知のウイルスとの闘いは誰も正しい答えを知っているわけではありません。答えのないものへの挑戦は今後皆さんが取り組むサステイナブル工学の研究においても同様です。何もしないで評論家のようにただ他人の上げ足をとりただ批判するだけでは何も解決になりません。どのように大変であっても最善と信じる方向に進み自ら道を切り拓くことが重要です。工学の研究においても専門的知識、分析・評価能力、論理的な思考力に加え、モチベーションと実践力が重要です。

ウイルス対策自体は医学の研究対象かもしれませんが、今日の社会情勢をみてわかるように、ウイルス問題によって経済、物流などの社会システムや人々の生活、また対策にかかわる多様な材料や装置まで様々なものが影響をうけています。これを逆にみれば今後皆さんが取り組むサステイナブル工学において、たった一つの技術が様々な形で広く社会に貢献できることが分かります。皆さんがこれから学ぶサステイナブル工学がどのように社会とかかわって行けるのか、皆さん自身はどのように社会に貢献できるのか、この機会によくよく考えてみてください。

5月から学期が始まると、地球規模で社会に貢献し人類の未来に貢献するサステイナブル工学を学ぶ魅力的な講義が皆さんをお待ちしています。まず第一に皆さん自身の健康と安全に十分注意し感染に気を付けて過ごしてください。元気に会える日を楽しみにしています。

工学部長　山下俊