Pat Hanrahan教授による「片柳コンピュータ科学賞」受賞記念講演会を開催
3月3日(月)にPat Hanrahan教授による「片柳コンピュータ科学賞」受賞記念講演会を八王子キャンパス片柳研究所棟KE402教室で開催しました。
はじめに亀田 弘之コンピュータサイエンス学部長よりPat Hanrahan教授の紹介を行いました。
Pat Hanrahan教授は、設立間もないPixar社で「レンダーマン」という規約を設計されました。レンダーマンは、CGの形状モデルやその見え方を設定して高品質な描画を行うCGソフトに渡すための記述仕様で、現在では著名なCG映画作品はほとんどすべてこのレンダーマンを使って制作されています。学術研究の世界に移られてからもCGの先駆的な技術を数多く世に送り出し、この分野の第一人者です。Microsoftの学術検索サイトのTop authors in graphicsでは第1位にランクされています。
つづけてPat Hanrahan教授による記念講演を行いました。
講演では“People, Data and Analysis”というタイトルで、大量データを利用して人間が適切な判断を下すためには、インタラクティブな可視化技術が今後ますます重要になるというお話をされました。もっとも単純な可視化の例である2次元の表の話から始まり、グラフ化の効果や、大規模データになった場合の分析の話題に発展しました。統計学の重要性にも言及されました。コンピュータ処理能力が今後もさらに進歩することが予想されることから、その場でインタラクティブな可視化を大量データに対して行い分析できるようになると述べられました。3次元CGの分野から大規模データ可視化分野に研究対象を広げたHanrahan先生は、CG制作におけるレンダーマンのような標準を、データ分析・可視化の世界でも実現しようとしているのかもしれません。
記念講演後、片柳研究所棟メディアテクノロジーセンターにて研究ポスター発表をPat Hanrahan教授へ行いました。本学大学院生や教員がビジュアルシミュレーション関連の研究成果紹介を行い、Hanrahan先生にコメントをもらうという貴重な機会を得ました。また、産学連携でメディア学部と提携しているUEIリサーチからも若手研究員がポスター発表を行いました。UEIリサーチの西田友是所長(本学大学院客員教授)も同席し、ACM SIGGRAPHクーンズ賞受賞者二人がそろうポスターセッションとなりました。
■スタンフォード大学パット・ハンラハン教授による「片柳コンピュータ科学賞」受賞記念講演会を開催(2014年2月21日掲出)
https://www.teu.ac.jp/press/2014.html?id=67
■メディア学部WEB
https://www.teu.ac.jp/gakubu/media/index.html
■コンピュータサイエンス学部WEB
https://www.teu.ac.jp/gakubu/cs/index.html