近藤 邦雄メディア学部教授が日本図学会で研究論文賞を受賞
日本図学会の論文誌「図学研究」に2009年から2010年の間に掲載された研究論文から、近藤邦雄メディア学部教授の研究論文が、優秀な研究論文として高く評価され、2011年5月14日に開催された日本図学会春季大会において表彰されました。
研究論文:
米山孝史、源田悦夫、近藤邦雄: 視覚パラメータに基づく絵画風画像生成手法, 図学研究,日本図学会, Vol.43,No.4,pp.13-21, 2009年12月
論文概要:
本論文では、近代以降の西洋絵画を中心とした絵画の視覚的特徴に着目した分析、およびそれに基づいた視覚対象モデルのパラメータ変換による絵画風画像生成手法について示す。近代以降に登場した印象派やキュビスム、抽象絵画などといった絵画スタイルは描画対象の色彩的な特徴や形態的な特徴などの表現に大きく重点が置かれている。このような特定の特徴に着目して強調したり、逆に故意に欠損させたりする近代絵画の表現は、脳内における視覚情報処理過程と密接な関係を見出すことができる。そこで本研究では,視覚情報処理過程として考えられている形態視・空間視・色彩視の視覚情報処理モジュールをパラメータとして導入し、絵画の視覚的特徴分析を行う。さらにこの分析により分類した視覚特徴の表現をもつ絵画風画像を描画する手法、および3次元モデルを用いた視覚パラメータによる絵画風画像生成システムを提案する。
推薦理由:
視覚パラメータの調整という簡単なインタフェースで趣の異なる絵画風画像がさまざまに生成される技術が優れている。視覚パラメータ導入においても、人の資格情報処理過程を十分考慮しており、描画手法の提案だけでなく、実際に画像生成システムを制作して、さまざまな絵画の特徴に対応した絵画風画像を生成できることを実現している。
2011年5月16日掲出