大山学長のホッとブレイク

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学長コラム第1回「大学とは新しいことに挑戦する場であり、異なる人・世代・考えと出会う場」

2022年4月22日掲出

 みなさん、はじめまして。東京工科大学学長の大山恭弘です。これから約1年間、このコラムを通じて、本学の最新情報や教育・研究における取り組みなどを発信していきますので、お付き合いをどうぞよろしく。

 さて、第1回目となる今回は「大学という場」について考えたいと思います。みなさんは、これから志望校を定めて受験勉強をするわけですが、入試にパスして、晴れて大学に入ったら、そこでどんなことをしたいと思いますか? 色々と思い描くことがあるかと思いますが、私は大学の4年間をぜひ「新しいことに挑戦する場」、「異なる人・世代・考えと出会う場」として活用してもらいたいと願っています。
 長い人生を考えると、大学生は随分と特殊な身分で、自由に時間を使えたり、何かに思いきり取り組んだりできる立場にあると思います。高校生までは未成年ですから、親の保護下にいる立場ですが、大学生ともなれば独り立ちした大人と見なされるでしょう。ちょうどこの4月から成年年齢が18歳に引き下げられました。ある意味で何からも制約されない、これまで以上の自由を手にするのですから、そこをうまく利用して、新しいことに挑戦しようという気心を持ってほしいですね。
 私自身の大学時代を振り返ると、私は大学入学と同時に下宿をし、一人暮らしを始めました。そのとき、これから「一人で生活していかなければならない」という思いと同時に、「一人で生活できるんだ!」というワクワクするような新鮮な気持ちがありました。大学では何か自分から始めたいと思い、高校まで続けていたサッカーではなく、今までとは違うグループに入ってみようとバドミントン部に入ったのです。そこで、自分の学部以外の人やさまざまな学年の人と交流することができましたし、たまたまそこで出会った人と何か一緒に考えて始めようとなったり、その人の伝手で他大学の学生と話す機会が持てたりしました。
 こうした「異なる人・世代・考えと出会う場」も大学の存在意義のひとつです。例えば、ある科目の講義で先生の話を聞き、他の講義で別の先生の話を聞き、その2つの意見を合わせて自分なりに考えてみる。時には「先生はこう言っていたけど、どう思う?」と同じ授業を取っている学生と議論をしてみる。そういうことができるのが、大学です。学内には学生と年齢が近い、若い先生で活躍している人もいれば、長いキャリアのある先生もいますし、企業の最先端で仕事をしてきて、大学の先生になった人もいます。それだけ大学は、色々なタイプの先生と出会うことができる場でもあるのです。
 また、ボランティア活動やサービスラーニングなどの機会を通して、地域や社会の人と出会うこともあるでしょう。そういう学内外で出会った人と話をすることで、何かを始めるきっかけを得ることもあります。とはいえ、そういう機会はじっと待っていて得られるものではありません。やはり自分から何かを始めようと、一歩、前へ踏み出さなければ始まらないのです。ですから、ぜひみなさんも大学生になったら、今までの流れとは違った、何か新しいことを始めてみてください。
 失敗することもあるでしょうし、うまくいかないこともあるでしょう。でも失敗は、たまたま予想したことと結果が違っただけのことだとも言えます。失敗したからダメということではなく、よくあることだと捉えて、失敗を恐れ過ぎないでいてください。定番の言い方になりますが、それが若さの特権でもあります。色々なことに挑戦して、「中にはうまくいかないこともあるさ」くらいの大らかな気持ちで、大学の4年間を過ごしてほしいですね。