大山学長のホッとブレイク

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学長コラム第4回「6学部の特徴を活かし、学部を超えた共同研究を促進」

2021年7月21日掲出

 こんにちは、学長の大山です。今日は、東京工科大学が取り組んでいる学部を超えた共同研究について紹介したいと思います。

 本学には個性豊かな6つの学部があり、学部の垣根を超えた共同研究や複数の教員で一つの研究に取り組もうというアプローチが積極的に行われています。
 例えば、植物細胞からプラスチックをつくる研究。これは応用生物学部のバイオテクノロジー系の先生と、工学部応用化学科の工業化学系の先生が一緒に取り組んでいる研究です。プラスチックの原料は石油ですから、つくるときも使い終わったあとも資源を無駄にするうえ、二酸化炭素を排出するばかりです。そういう課題を解決する方法には色々なアプローチがありますが、本学の先生方が取り組んでいるのは、緑藻からプラスチックを合成しようという試みです。このプラスチックは、完全に植物からつくられていますから、使用後は自然に戻っていきます。そういう意味では、循環型の素材だと言えます。
 もともと応用生物学部の先生は、バイオテクノロジーをベースに緑藻をどのように積み重ねたらプラスチックにできるかという研究をしていて、その合成に成功しました。しかし、実用に耐え得る強度や大きさ、厚みを実現する部分で課題に直面したわけです。その課題をクリアするには、工学部応用化学科の材料をつくることを専門とする人の力が必要です。そこで工学部応用化学科の先生と一緒に研究をしようとなったのです。先日、この研究に取り組む二人の先生が、研究の進捗を聞かせてくれました。現状、A4ノートくらいの薄いセルプラスチックが完成したそうで、これからの進展が大変に楽しみです。
 このほか、応用生物学部とコンピュータサイエンス学部の先生方が共同で、がん細胞の画像をAIに学習させ、AIを使ってがんを診断する研究に取り組んでいます。一方、VR(仮想現実)技術を活用する研究では、医療保健学部では医療技術の教育に応用する研究を、メディア学部では学生のプレゼンテーションやディスカッションのトレーニングに応用する研究をと、一つの技術を異なる分野から追及する研究も行っています。

 このような学部を超えた研究は、まだまだ先生方が個別に動いている面が強いため、大学としてはそれをうまく支援していき、本学の魅力のひとつにしていきたいと思っています。そこで4月号でも少し触れましたが、今年度から「実践研究連携センター」を立ち上げ、学部を超えた研究のサポートを進めているところです。東京工科大学には、それぞれに特徴のある6学部があるのですから、学部内だけにそれぞれの研究を留めているのはもったいないです。今後は6学部を横につなぐような研究を活発化させていきたいと考えています。そのためにも、研究をコーディネートしたりサポートしたりする「実践研究連携センター」を今年度中に整備し、研究のマネジメントと研究テーマのコーディネートを支援できるようにする予定です。このセンターにより、分野の異なる研究者がお互いの研究成果を活かし合い、より社会に貢献できる研究へと発展させていければと思っています。