[2011年度]第9回「中国視察から得たもの。海外の技術を吸収しようとするマンパワー」
皆さん、こんにちは。今回は、中国の大学視察で、見た・聞いた・感じた、いろいろなことをお話します。
昨年、まだ日本でも暑さの厳しい8月上旬、私が訪れた杭州は連日37℃。じっとしていても、大量の汗をかく猛暑でした。
今回招へいされたのは、浙江大学。清華大学、北京大学と同じくらいの上位の大学です。
今回訪れた目的は、各分野の名士を世界各国から100人招くナショナルプロジェクトで、私もバイオ関連の大学の学長として招かれたのです。現地の教授や学生たちは、名士たちから何でも吸収しようとしているので、ディスカッションが途絶えることはありません。
滞在中ある日の午前中のスケジュールだけ見ても・・・、
まず、早朝6:30、宿泊先に、浙江大学の教授と学生が迎えに来て、世界遺産の“西湖(せいこ)”の周りを散歩しながらフィールドディスカッション。
9:00、湖のほとりの茶屋で朝ごはんを食べながら、ディスカッション。中国と日本の文化の違いから、障害を持った方に役立つ技術などの専門分野まで、幅広いテーマで話しました。
10:00、宿泊先に戻り、着替えて大学に登校。
12:00、昼食時も多くの人が集まってきて、やっぱりディスカッション。そんな中、発見したのが、現地の人たちは、ピザやハンバーガーなどファーストフードを食べている人が多いということ。もちろん、中華料理のフルコースも食べていますが、外食業界は欧米化が進んでいるようです。
このように、時間を惜しんでさまざまなテーマでディスカッションしました。そんな中で、私が感じたのは、10年前、私が東京大学の研究所にいた頃の雰囲気に似て、皆のやる気が満ちているということ。
中国の人々のパワーと発想は、現在の日本と全然違います。
元々、共産主義ですから、土地は国のものですよね。ところが、5階建ての自宅を作るような富豪農家が増えているんです。さらに街中では高級車を見ることも珍しくありません。
とてつもない速度で国は発展しています。
このような国とどのように日本は付き合っていくのか?私は、やはり世界に通用する技術であるICT(情報技術)を一層進展させることだと思っています。理工系の学部だけでなく、デザインの分野でも、医療の分野でもICTのエキスパートを育てるということ。さらに、語学もますます重要になるでしょうね。ネイティブスピーカーの教員を揃え、完全な修得を目指しています。
世界は、ものすごいスピードで動いています。こんな時代、就職して、すぐ中国出張ということも珍しくないのでは。ですから、どのような社会でも生きていけるような人材を育てなくてはダメ。本学では、海外でも活躍できる、それぞれの分野のエキスパートを育てていきます。羽ばたけ!日本のマンパワー!
2012年1月6日掲出