SDGs に対応した取り組み

2015年に国連加盟国により、2030年までの達成をめざす全世界的な目標である「持続可能な開発目標アジェンダ2030(SDGs)」が採択され、産学官がその実現に向けて動き始めています。
東京工科大学では、それ以前より重要な教育目標として、持続可能な社会の実現に貢献する人材育成を掲げています。応用生物学部で取り扱うテーマも、SDGsに関連するとともに、私たちの生活と強く結びつくものが多く、先進的なバイオテクノロジーを医療、食品、環境などの産業へ活用するための教育、研究を進めています。ここでは各専門コースがめざす持続可能な目標と個々の教員の関連テーマを紹介します。

生命科学・医薬品専攻
生命科学コース

人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進するためには、様々な疾病を正確に診断したうえで、適切な治療を行なうことが重要です。生命科学・医薬品専攻の生命科学コースでは、ゲノム情報に基づく疾病の診断法や、生体分子と計測技術を融合させた病気診断用バイオセンサーなど、超早期・簡易な診断法や診断システムの研究開発に取り組んでいます。また、本コースは持続可能な社会に貢献する環境分野の課題解決も重要な目標としており、排水処理、砂漠化、酸性雨といった国際的に重要な環境問題に対処するための研究を進めるとともに、環境モニタリング、バイオエネルギー、生物資源の確保と活用などに関する次世代技術の創生をめざしています。

生命科学・医薬品専攻
医薬品コース

人生100年時代を迎え、いかに豊かな100年間を生きるかは、人類共通の大きな課題です。しかし、日常生活を支障なく過ごせる期間を示す「健康寿命」は、男性で約72歳、女性で約75歳 とされ、豊かな人生を過ごすには“健康維持”が最重要なポイントになっています。生命科学・医薬品専攻の医薬品コースは、SDGsが掲げる「すべての人に健康と福祉を」の達成を目標に、最先端の生物工学技術を駆使した医療、医薬研究に取り組み、豊かで持続的な人類の反映をめざします。まだ治療法が確立されていない疾患に対する診断や治療開発をめざした“アンメット・メディカル・ニーズ”も意識しながら、人材育成と研究開発を進めていきます。

食品・化粧品専攻
食品コース

現在、食品産業の多くが海外に原材料を依存しています。こうした状況では、持続可能な農林水産物の確保に向けて、生産者の生活を安定させることが非常に重要です。そこで食品・化粧品専攻の食品コースでは、農林水産物の持続可能性を保ち、安定的に確保していくための取り組みとして、食品の廃棄ロスの減少に貢献する研究を行っています。具体的には、野菜などの食品の未利用部分の有効活用につながる新たな健康機能性の探索研究や、油脂の劣化を防ぐことで油脂の長期利用拡大を図る方法の研究、新しい冷凍保存技術などの開発による賞味期限の延長をめざす研究などを進めています。

食品・化粧品専攻
化粧品コース

美の追求は人間の根本的な欲求であり、化粧品は人間のQOL(生活の質)向上に必要なツールと言えます。事実、高齢者に対するメイクアップセラピーでは、被検者の積極性が増し、他人との交流の機会が増えるなど、認知症の予防や改善、ADL(日常生活動作)の維持・向上効果が期待されています。また、皮膚を健康に保つことは健康寿命を伸ばすことにつながると考えられます。食品・化粧品専攻の化粧品コースでは「すべての人に健康と福祉を」をキーワードに、人と環境にやさしい化粧品の開発、化粧品の作用とメカニズムの解明、化粧品が人や社会に与える効果の検証などを推進。超高齢化社会における化粧品の役割と可能性を追求し、持続可能な社会に貢献していきます。