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デジタルツインセンター
~現実と仮想の融合領域の開拓に挑む~
現実空間から収集したさまざまなデータを用いて、仮想空間上に現実と同じ環境を「双子」のように再現する技術をデジタルツインと呼びます。建設業や製造業、エネルギー、医療関連ほか多様な業界で、効率化やリスク低減、価値創造など多くのメリットを生み出すことが期待されている技術であり、アートやエンターテインメントの領域でも、新たな表現やビジネスの可能性を広げる手段として注目が高まっています。 このデジタルツインに関連する研究・人材育成に、他に先駆けて取り組む先進的環境として、2023年に東京工科大学八王子キャンパス内に誕生したのがデジタルツインセンターです※。 本センターは、コンピュータサイエンスや工学、メディア、デザイン、医療、バイオなど、時代の先端領域を扱う多学部からなる本学の特徴を生かし、異分野融合を基本に活動を展開するとともに、デジタル産業をリードする企業や外部人材との共同で、デジタルツインを適用した未知・未踏分野の開拓をめざします。

※同法人設置校である日本工学院専門学校、日本工学院八王子専門学校との連携事業。

>>10月18日デジタルツインセンター設立記念シンポジウム開催(CEATEC2023内)のご案内
デジタルツインの適用例
■ 製造業や建設業におけるプロセスの最適化
■ エネルギー業界における発電システムのメンテナンス
■ 医療業界における手術シミュレーション
■ 都市開発における計画の立案や開発プロセスの最適化
■ アート、エンターテインメント業界における新規表現・体験の提供
■ その他、ロボット工学、自動車の衝突実験などでの活用
東京工科大学デジタルツインセンター
設置目的
■ デジタルツインを合言葉に、異分野の人材が融合して未踏分野を開拓する
■ デジタルツインによる未知との遭遇、新しい価値創造に果敢に挑戦する
■ 学内外や分野を隔てるハードルを置かず、多様な分野との融合を促進する
■ デジタル社会の次代を担う若手研究者・開発者の育成を進める
ご挨拶

2023年6月1日に、東京工科大学片柳研究所デジタルツインセンター(DTC)を設置しました。 デジタルツインは、比較的新しい技術要素であり、2010年代後半に精力的に提唱されてきた技術で、現実世界(フィジカル空間)で起こっている物事や生産工程、物流、建設などの現象をデジタル空間(サイバー空間)内に双子のように再現することに由来しています。単にサイバー空間でデジタルの双子を生成するだけではなく、サイバー空間でシミュレーションや最適化設計を行い、この結果を現実世界にフィードバックすることで、現実世界での生産工程や物流、建設などの効率化・最適化を目指す技術なのです。既にデジタルツイン技術は様々な業種で適用され、実績を上げつつあります。例えば、製造業や建築業におけるプロセスの最適化や医療業界における手術支援、エネルギー業界における発電システムのメンテナンス業務などがあります。 これまでの工学的な分野で一般的に行われてきた実験とシミュレーションとの関係と大きく異なるのは、現実世界とデジタル空間での双方のデータをリアルタイムで相互やり取りをすることです。こうすることにより、デジタル空間でシミュレーションしたその時点での最適な情報をフィードバックし、現実世界での高効率化を目指すのです。それを実現するためには、現実世界でのデータの収集方法、データの蓄積・伝送や、デジタル空間内で行うシミュレーションや最適化計算の高速化などの技術が必要となってきます。このデジタルツインの実現には、人工知能(AI)や機械学習(ML)を活用し、IoT、センサー、クラウド、5G通信などの技術が利用されます。また、高速計算やメタバース、可視化技術も重要な要素です。 もう一つのデジタルツイン技術の適用先としてVtuberやフォートナイトやマインクラフトなどのゲームの世界が挙げられます。これらの新興の領域は、アカデミアの枠組みに乗ってこないですが、社会として、日常生活としてかなりのインパクトがあり、実はそこには技術的な可能性、産業的可能性が考えられます。例えば、小学校や中学校ではコロナ禍で通学することができない時期がありましたが、ゲームのバーチャル空間内で友達とのコミュニケーションが維持できた事実もあります。また、個人の所属や社会的な地位、言語的、経済的な様々なバリアを超えて、遠隔地の友達同士が分け隔てなくコミュニケーションできるアバター空間は、単純なエンターテイメントで閉じないような社会基盤になりつつあります。すなわち、一般的には遊びとして捉えられているゲームなどでの技術領域でも、非常に多様な可能性が秘められているということです。 このように、既存産業のデジタルツインやシミュレーションなどの領域とこれらの新興領域が融合することで、新しい産業や社会的価値の創出の可能性を追求・挑戦し、創造していくことが、DTCの目的の一つとなります。この目的を達成すべく、本センターでは様々な企業様より現場の技術者をお招きし、客員教授としてメンバーに入っていただいています。 また、センターの活動の中で、新しいプライド(自信)、研究者として、大学として、学生の純粋な興味として、デジタルツインセンターに関わることが楽しくてしょうがない、参加することが楽しくてしょうがないと言う場の提供も考えています。 東京工科大学内には、コンピュータサイエンス学部、工学部、メディア学部、医療保健学部、デザイン学部、応用生物学部など、デジタルツインに関連する学部が多数存在します。すなわち、大学内だけでデジタルツイン技術を駆使した、研究・開発が期待できるのです。本学では、学部横断的なプロジェクトを展開し、新たな分野への挑戦を促進します。また、新たな分野への挑戦や専門的な教育プログラムの開発を通じて、デジタルツインの専門家を育成し、社会のニーズに応えることを目指します。企業との連携を通じて、新しい領域の開拓も同時に推進します。 本学では、デジタルツインを合言葉にして異なる分野の研究者や開発者が融合し、未踏の分野に挑戦し続けます。

活動イメージ
概 要
● 名称:デジタルツインセンター
● 開設:2023 年6月1日
● 場所:東京工科大学八王子キャンパス本部棟1階
●主なスタッフ:
・生野 壮一郎 センター長/コンピュータサイエンス学部教授
・豊田 啓介 東京工科大学客員教授/東京大学生産技術研究所/建築家
・三宅 陽一郎 東京工科大学客員教授/東京大学生産技術研究所特任教授
・廣岡 信行 東京工科大学客員教授/エヌビディア合同会社 エンタープライズ事業本部 ビジネスデベロップメント
・浜中 誠 東京工科大学客員教授/株式会社Psychic VR Lab
・喜田 龍也 東京工科大学客員准教授/株式会社HIKKY 取締役COO
・佐藤 文彦 東京工科大学客員准教授/株式会社フロウプラトウ



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